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蔵元概要


 清酒「六十餘洲」の醸造元、今里酒造株式会社は、東に佐賀県武雄市、北に陶器の有田町、南東に山を越えて温泉で有名な嬉野町に接する東彼杵郡波佐見町にある。
 波佐見町は陶器の産地として名高く、人口1万6千人、周囲を標高400mほどの山々に囲まれた、山紫水明の静かな町。ここは雲仙に次いで県内2番目に寒いところで、この寒冷の地が酒造りに適しているといわれる。

 今里酒造の創業は約200年前、ちょうど田沼意次老中時代にさかのぼる。その根拠が面白く、前社長が父親の墓を建てるとき墓地にスペースがなく、やむを得ずすべての墓を掘りおこし骨を壺に入れ、いわゆる寄せ墓を作ろうとしたとき、最も古い今里安助という人の墓にのみ酒器などの酒にちなんだものが副葬されていたのを発見した。そこから推測して現在8代目となる女性社長のもと、蔵人一丸となって伝統の酒造りに取り組んでいる。
 江戸末期に建てられたという蔵に入ると、夏でもひんやりした空気とともに200年余の時の重みを感じる。季節の花が飾られた奥のスペースではお酒の試飲もできるのがうれしい。
 「六十餘洲」という名前の由来は、江戸時代、日本は六十余りの国々から成り立っていたため、日本全国という意味で「六十餘洲」という言葉が使われ、このお酒は全国津々浦々の人に飲んで欲しい、という気持ちを込めて名付けられたのだという。
 一麹(こうじ)、二酒編に元(もと)、三醪(もろみ)の基本を守り、素直さの中にも一本筋のある酒造りを目指しており、酒の仕込み中は毎日社長手作りの朝食を杜氏はじめ蔵の人たち全員一緒にとっているという。ここにいい酒造りの原点があるようだ。


杜氏
吉川 昭義(よしかわ あきよし)さん
杜氏からひとこと


 代々の先輩が培ってきた六十餘洲伝統の味を受け継いでいくのが自分の仕事だと訥々と話される、杜氏吉川さん。
 ブームに流されることなく、いかにいい麹を求めていくかにこだわり、自分の納得した味を消費者に喜んでもらえれば、それが一番という。一方で、丹精込めた酒は生きており、消費者に届くまでにどういう管理がされているかで味が変わるため、最高の状態で飲んでもらえているかどうかが心配なのだという。酒本来の味が一番わかるのは、春できた酒を秋に飲むのがいいらしい。
 杜氏の仕事は、1年の半分を酒とだけ向き合って暮らす、孤独な仕事ともいえる。失敗の許されない孤独な戦いは、自分との戦いだ。ひとつの酒が吟醸酒になるまでは、なんと40〜50日もかかる。


 そんな杜氏のもうひとつの大切な仕事が、酒をつくる人をつくること。チームワークがなければいい酒はできないという。蔵の人たちは家族という気持ちのつながりこそ、いい酒のもとだとも。
 酒造りにあくまでも真摯に取り組む吉川さんの姿勢が、蔵の姿勢となり、六十餘洲伝統の味を支えている。



おすすめ商品
商品名 原料米 精米歩合 度数 日本酒度 特徴
六十餘洲
大吟醸
山田錦 40% 16.5 4.0 山田錦を35〜40%まで高精白して黒髪山の伏流水を仕込み水として上品で心地よい香りと風合いが特徴。やや辛口。
◎福岡国税局主催
 平成16年度酒類鑑評会
 吟醸酒優等賞受賞
吟醸香の音
(かのね)
山田錦 55% 15.5 3.0 やさしくスムーズな口当たり、さわやかな酸味が上品に広がる、後味も香りを同調する清涼感を感じる。
六十餘洲
純米大吟醸
山田錦 40% 16.5 +0.5 波佐見産の山田錦と黒髪山の伏流水みで醸し出され、つややかで馥郁とした心地よい飲み口。
◎福岡国税局主催
 平成16年度酒類鑑評会
 純米酒優等賞受賞
六十餘洲
特別純米酒
山田錦 60% 15.5 0 波佐見産の山田錦を特別に精白して、米と水だけで仕上げたすっきりとしてなお柔らかみがある。
六十餘洲
金撰
レイホウ 68% 15.5 0 酒質は豊で味わい深い個性があり、口当たり良く喉ごしさわやかでまろやかな清酒。


蔵元名:今里酒造株式会社
電話 0956-85-2002
FAX 0956-85-4480
所在地 長崎県東彼杵郡波佐見町宿郷596
創業 1770年頃
ホームページ www.64sake.com/
アクセス ●福岡から:西九州自動車道、波佐見有田IC下車5分
●長崎から:長崎道、東彼杵IC下車、波佐見方面へ約20分
●波佐見有田ICから:IC下車右折→3つ目の信号(波佐見町舞相交差点)右折→2つ目の信号(親和銀行)左折→突き当たりを左折→突き当たり
蔵元見学 電話予約必要 6月以降10月まで(平日のみ)




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