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今里酒造の創業は約200年前、ちょうど田沼意次老中時代にさかのぼる。その根拠が面白く、前社長が父親の墓を建てるとき墓地にスペースがなく、やむを得ずすべての墓を掘りおこし骨を壺に入れ、いわゆる寄せ墓を作ろうとしたとき、最も古い今里安助という人の墓にのみ酒器などの酒にちなんだものが副葬されていたのを発見した。そこから推測して現在8代目となる女性社長のもと、蔵人一丸となって伝統の酒造りに取り組んでいる。
江戸末期に建てられたという蔵に入ると、夏でもひんやりした空気とともに200年余の時の重みを感じる。季節の花が飾られた奥のスペースではお酒の試飲もできるのがうれしい。
「六十餘洲」という名前の由来は、江戸時代、日本は六十余りの国々から成り立っていたため、日本全国という意味で「六十餘洲」という言葉が使われ、このお酒は全国津々浦々の人に飲んで欲しい、という気持ちを込めて名付けられたのだという。
一麹(こうじ)、二酒編に元(もと)、三醪(もろみ)の基本を守り、素直さの中にも一本筋のある酒造りを目指しており、酒の仕込み中は毎日社長手作りの朝食を杜氏はじめ蔵の人たち全員一緒にとっているという。ここにいい酒造りの原点があるようだ。
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