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印通寺港近く、壱岐焼酎400年の歴史と伝統技術をそのままに受け継いでいるのが、壱岐の7社ある酒造場の中で一番小さなこちらの酒造場だ。
原料となる米と麦を蒸しあげる桶に「木製こしき」を使用。仕込みはかめを使い、1次もろみ(米麹に水を加え、1次もろみを造る)、2次(1次もろみに蒸した麦を加え、2次もろみを造る)の作業を行なうのだ。 基本体制は家族4名。米と麦は同じ木製こしきの桶で蒸すので、1次、2次仕込みが同日に行えない。もちろん1日にできる作業も限られてくる。量産できないのが現状なのだ。
重家(おもや)酒造の看板ブランドは、「雪洲(せっしゅう)」。大八洲の一つ、壱岐は昔、雪洲…雪と見まがう白砂の島と称されていたことからこの酒銘が付けられた。味に膨らみを持たせるために微減圧蒸留を施したこの焼酎は、ロックや水割りに適した味わいを持つ。「村主(すぐり)原酒」は、白麹と黒麹をブレンドしたかなり癖のある飲み口だ。また、「筒城浜」は壱岐のお得意さんの声を反映させ、アルコール度数20度のものを商品化した。
それにしても重家とは珍しい名前。実はこれ、門名(かどな)と呼ばれる壱岐に伝わる昔ながらの呼称で、この界隈は横山姓が多いため、他の横山姓と区別するために使用されてきたものだという。“重家さん”と言えば、壱岐で一番小さな昔ながらの造り酒屋さん。今もこの名で呼ばれ親しまれているそうだ。
手造りで量産ができない、営業やサービスに力を注げないなど、小規模ゆえのデメリットもあるが、そのぶん地元の人々の声を聞き、ひとつひとつにターゲットを絞り込んだ焼酎造りを展開する。じっくりと地に足をつけたその真摯な姿勢が、焼酎の味に滲み出ているように感じられる。
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