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焼酎は、蒸留の技術が14世紀にタイから伝えられた事をきっかけに始まったとされています。
室町時代の1559年に「神社の神主がケチで一度も焼酎を飲ませてくれなかった。作次郎・助太郎」と書かれた棟木札(むねきふだ)(鹿児島県大口市の郡山八幡神社)が発見されている事から、この時代に焼酎が人々の生活に定着していたことは明らかです。但し、当時の焼酎は米焼酎が主流であり、様々な原料の焼酎が造られるようになったのは、江戸時代からといえるでしょう。
江戸時代は、米が年貢の対象として大変貴重なもので、焼酎造りに利用することが難しかった為、当時の人たちは苦労を重ね芋や麦など様々な原料を用いた焼酎を造りました。これが現在の焼酎の基盤になっていったのです。
その後、明治時代になり、技術は目覚しく進歩を遂げ、焼酎も乙類と甲類に分類されるようになり、現在に到っているのです。

 焼酎の甲類と乙類

酒税法により、焼酎は蒸留機の種類により甲類と乙類に分けられています。甲類とは連続式蒸留機で蒸留したもの。 乙類は単式蒸留機で蒸留したもの、アルコール分は45度以下のものを呼びます。 そのアルコール度数を超えるとスピリッツ類か原料用アルコールという別な酒に分類されます。
昭和46年の法改正で、甲類をホワイトリカー[1]、乙類を本格焼酎またはホワイトリカー[2]と表示してもよいことになりましたが、乙類はもっぱら本格焼酎と表示されているので、ホワイトリカーといえば焼酎甲類のことといえるでしよう。甲類はややアルコールの匂いを感じさせるソフト型、本格焼酎は原料の風味を特徴とするややハード型といえます。

甲類◎焼酎

甲類焼酎は、かつては「新式焼酎」と呼ばれていました。文字通り、伝統的な焼酎に対して「新しい」焼酎という意味です。乙類との一番大きな違いは連続式蒸留機で蒸留を行なっていることです。
原料を糖化し発酵して生まれる醪(もろみ)は数本の蒸留塔に連続的に供給され、蒸発、分縮、還流という複数の作用により高純度のアルコールが取りだされます。これは単式蒸留機で何度も蒸留を繰り返すことと同じ原理です。
こうして抽出された甲類焼酎は無色透明で不純物が少なく、しかもクセのない味わいが特徴です。
また、アルコール度数は36%未満に規定されていますので、誰にでも気軽に楽しんでいただける焼酎です。

乙類◎焼酎

乙類焼酎は、かつては「旧式焼酎」と呼ばれていました。蒸留は単式蒸留機で行われ、アルコール度数は45%以下のものです。蒸留の仕組みが非常にシンプルなので、乙類焼酎はアルコール以外の香味成分も抽出され、それが原料独特の風味や味わいになります。原料の風味が生かされるので原料は非常にバラエティに富んでおり、米、麦をはじめさつまいも、そば、黒糖などが使われています。
本格焼酎とも呼ばれており、ロックやお湯割りで焼酎本来の味わいを楽しみます。 昔から九州などで造られていた焼酎や沖縄の泡盛はすべて乙類焼酎です。


 九州・沖縄は焼酎王国

最近の焼酎ブームの中心となっているのが、芋焼酎です。さつま芋の主産地の鹿児島県と宮崎県の南部でつくられています。また、宮崎県は中部では米焼酎と麦焼酎と地域ごとに様々な焼酎がつくられているのが特徴です。
熊本県南部の球磨郡と人吉市は、米焼酎の一大産地であり、特に球磨焼酎は地理的産地表示の指定をうけています。
麦焼酎の主産地は、大分県と長崎県の壱岐で、壱岐は歴史が古く、江戸時代からつくられ、大分県はクセのないライトな味で昭和50年代から急成長をとげました。
黒糖焼酎は鹿児島県の奄美大島だけでつくられ、島で産するサトウキビが原料ですが、これはラムの材料と同じものであり、焼酎の中でも最も洋酒に近い風味をもっています。
沖縄県の泡盛は原料は米ですが、ジャポニカ米ではなくインディカ米を使い、熟成させるほどにまろやかな深みを増していきます。
◎福岡県

九州でもっとも清酒づくりの盛んな県のため、焼酎は、清酒蔵が兼業で手がけている場合が多い。酒造りの中心は筑後川流域の筑紫平野。城島町、大川市、久留米市、八女市などに優良な蔵が集まっている。そんな事情から、酒粕(さけかす)を原料とした酒粕焼酎が作られてきた。今では麦焼酎が主流となったが、米、胡麻、にんじん、海苔を原料としたものもあり、その多様性が福岡県の特徴といえる。

◎佐賀県

佐賀県は、九州有数の米どころ。鍋島藩主、鍋島閑叟(かんそう)が酒造りを奨励したこともあり、伝統的に清酒づくりが盛んであるため、焼酎をつくる蔵はほとんどが清酒との兼業。清酒づくりを応用した米焼酎のほか、麦焼酎や酒粕焼酎などがつくられている。福岡県同様、焼酎の地域特性はそれほどなく、それぞれの蔵が独自の工夫を凝らしてつくっている。

◎長崎県

長崎といえば壱岐の麦焼酎が有名。壱岐は玄界灘に浮かぶ島で、古くから大陸文化の中継地として栄えた。そのためすでに江戸時代には、本格的な焼酎がつくられていたという。産地表示規定上、「壱岐焼酎」とは、大麦と米麹を原料に島の水で仕込み、島内で蒸留、瓶詰めしたものに限られる。県下の他の地域でも、麦焼酎が主流。

◎熊本県

熊本県南部の人吉・球磨地方は米焼酎の本場。日本三大急流のひとつに数えられる球磨川流域でつくられる米焼酎は球磨焼酎と呼ばれ、現在28の蔵が製造を行っている。産地表示規定では、米を100パーセント使用して、球磨郡か人吉市の地下水で仕込み、同地域内で蒸留、瓶詰めした焼酎にのみ、球磨焼酎の呼称が認められる。県内の他の地域でも本格焼酎はつくられているが、やはり米焼酎が多い。

◎大分県

大分県は日本一の麦焼酎の産地である。米麹を使用して、伝統的な常圧蒸留でつくる壱岐焼酎に対し、大分の麦焼酎は、麹にも麦を使用。減圧蒸留や精製濾過などで、一般にくせの少ない軽い口当たりに仕上げてある。大分の麦焼酎が全国的に知られるようになったのは、昭和50年代から。「いいちこ」「二階堂」などが特に有名なブランドだが、他にも小規模ながら優良な蔵が多い。本格焼酎を手がける蔵の数は、現在35場。産地は県内全域に広がっている。

◎宮崎県

さつま芋を原料とした芋焼酎は、南九州の特産酒である。薩摩・大隅地方(現在の鹿児島県)、日向地方(現在の宮崎県)で、江戸時代からつくられてきた。現在、南九州で芋焼酎をつくる110ほどの蔵元のうち、約30場が宮崎県にある。宮崎県の芋焼酎は、鹿児島県産のものに比べて、やわらかな飲み口のライトタイプが多い。水割りかお湯割りで飲むのがポピュラーな楽しみ方。県下では他に、麦、米、そばを原料としたものもつくられている。なつめやしやヨモギを原料にした珍しい焼酎もある。

◎鹿児島県

県下には112の酒造場があるが、清酒の蔵元は一社もなく。すべてが焼酎蔵。芋焼酎が主体で、奄美大島には黒糖焼酎がある。米や麦のような穀類と違い、傷みやすいさつま芋は新鮮さが何より求められる。朝掘った芋をすぐに酒造場に移し、処理するというのが理想。そういう意味で、芋焼酎はその土地でしかつくれない酒だ。黒糖焼酎の原料はさとうきびでつくる黒糖(黒砂糖)である。これも土地ならではのもの。

◎沖縄県

泡盛の原料は米である。だから泡盛も米焼酎の一種といえる。しかし、泡盛には他の米焼酎と大きく異なる点がある。麹に黒麹菌を用いること(他は白麹菌)、原料すべてを麹にして発酵させること(他は三分の一だけ)、原材料にタイ国産のインディカ米を用いることである。一般の泡盛は一年未満の貯蔵で出荷されるが、三年以上の熟成酒を50%以上含むものは古酒(クース)の表示が許される。


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